1枚のリーフレットから
ポストに投げ込まれていたあるソフトウェアのリーフレットから、もしかしたらぼくの人生が変わるかもしれない。
株式会社ディベロップ東京(※)の「HANARAKAN 〜花羅漢〜」がそれである。
利殖シミュレーションと銘打たれたこのソフトウェアは、競馬を投資の手段ととらえ、リスクを分散して安定した成果を出すプログラムだという。
最大の鍵は、過去のレース・データ検証・解析により開発された「勝ち馬予想プラグラム」である。70%以上という驚異的な的中率。しかしこの開発元は、このプログラムにおいて勝ち馬予想の“「的中」は当たり前の「前提」であ”ると述べている。深い洞察と確かな自信を感じさせてくれる言葉ではないか。
さらに、緻密に設計された利殖プログラム。これが投資のリスクを最小限に抑えて、長期的な利益を上げてくれるのだ。
ほとんどすべてが自動化されたこのソフトウェアで、自分が決めなければいけないことはたった4つ。運用するための資金額、資金のうち投資に回す割合、1日の利益目標(回収率)、そして1か月の投資日数である。
リーフレットではプランの一例として、運用資金を10万円、投資金額割合を1%、回収率を300%、1か月の投資日数を8日(毎週土日とした場合)とした場合の結果を載せている。驚くべきことに、10万円で始めた投資が、1年後には61万円になるというのだ。6倍以上である。天が黄金を降らす時にはマントのすそをひろげて受けよ(スペインのことわざ)ということか。
やんぬるかな。好事魔多し。このソフトウェアはWindows専用であった。
ぼくは頑固でひねくれもののMacユーザーである。Virtual PCはあるが、これではおそらく使えまい。CPUパワーの問題もあるし、どうやらハードウェア・プロテクタが必要であるようだ。なんということか。いまほど自分自身の頑固さやひねくれ加減を憎んだことはない。
そこで考えた。このプログラムの利殖方法だけ真似ることはできないかと。
リスク分散のために、投機に回す割合や利益目標を低めにし、それをきちんと守って(実はこれがいちばん難しいのであるが)、毎週土日に挑戦するのだ。ルールを破らなければ、理想に近づくことができるかもしれない。
もちろん、勝ち馬が分からなければ、まったく意味がない。絵に描いた餅である。そのためにぼくはリーフレットを隅から隅まで繰り返し読んだ。その中にヒントが隠されているのを、ぼくは当然見逃さなかった。
そう、鉄板(確実)な、一番人気の馬を買えば良いのだ!
一番人気の馬が来るとは必ずしも言えないが(当然である)、すべてのレースに勝つ必要はないのである。利益目標さえクリアすればよい。万が一クリアできなくても、負けさえしなければ、結果が少々先に伸びるだけだ。
次の問題は資金である。
このソフトウェアの価格は約100万円だ(かなり高額なものではあるが、上に書いたような利回りを考えれば、すぐにペイできるだろう)。これを購入できない立場にあるぼくは、100万円でソフトウェアを買ったつもりで、投機の資金にすればよい。
さて、投機に回す割合は、リーフレットにあるとおり1%とすべきだろうか。まあ、そうなのだろうが、士気高揚の意味も込めて、まずは少し欲張った5%としてみよう。これでもけして大きすぎるとは思えない。
最後に、投機する日数だ。やはり週末にどんと行きたい。8日とする。
上の条件でシミュレートしてみたのが、左の表である。
作表にあたっては、リーフレット掲載の表を参考にした。
驚くなかれ、1年後には、ぼくは1,156,880,000円を手にすることになる。
さあ、マントを拡げよう。成功の秘訣は目的の一定不変なるにあり(スマイルズ)。
念のために忠告しておくけれど、このエントリを読んだとしても、決して真似をしないように。ぼくのように想像上の資金力と、見せかけの忍耐力、そして架空の決断力をもった人間が実行しない限り、必ず破綻する。
そう、それから些細な問題ではあるけれど、ぼくは競馬はやらないんだよなあ。
〈05.8.4追記〉※現在は扱っていないそうです。先方よりご指摘をいただいたので、リンクを削除しました。
株式会社ディベロップ東京(※)の「HANARAKAN 〜花羅漢〜」がそれである。
利殖シミュレーションと銘打たれたこのソフトウェアは、競馬を投資の手段ととらえ、リスクを分散して安定した成果を出すプログラムだという。
最大の鍵は、過去のレース・データ検証・解析により開発された「勝ち馬予想プラグラム」である。70%以上という驚異的な的中率。しかしこの開発元は、このプログラムにおいて勝ち馬予想の“「的中」は当たり前の「前提」であ”ると述べている。深い洞察と確かな自信を感じさせてくれる言葉ではないか。
さらに、緻密に設計された利殖プログラム。これが投資のリスクを最小限に抑えて、長期的な利益を上げてくれるのだ。
ほとんどすべてが自動化されたこのソフトウェアで、自分が決めなければいけないことはたった4つ。運用するための資金額、資金のうち投資に回す割合、1日の利益目標(回収率)、そして1か月の投資日数である。
リーフレットではプランの一例として、運用資金を10万円、投資金額割合を1%、回収率を300%、1か月の投資日数を8日(毎週土日とした場合)とした場合の結果を載せている。驚くべきことに、10万円で始めた投資が、1年後には61万円になるというのだ。6倍以上である。天が黄金を降らす時にはマントのすそをひろげて受けよ(スペインのことわざ)ということか。
やんぬるかな。好事魔多し。このソフトウェアはWindows専用であった。
ぼくは頑固でひねくれもののMacユーザーである。Virtual PCはあるが、これではおそらく使えまい。CPUパワーの問題もあるし、どうやらハードウェア・プロテクタが必要であるようだ。なんということか。いまほど自分自身の頑固さやひねくれ加減を憎んだことはない。
そこで考えた。このプログラムの利殖方法だけ真似ることはできないかと。
リスク分散のために、投機に回す割合や利益目標を低めにし、それをきちんと守って(実はこれがいちばん難しいのであるが)、毎週土日に挑戦するのだ。ルールを破らなければ、理想に近づくことができるかもしれない。
もちろん、勝ち馬が分からなければ、まったく意味がない。絵に描いた餅である。そのためにぼくはリーフレットを隅から隅まで繰り返し読んだ。その中にヒントが隠されているのを、ぼくは当然見逃さなかった。
・オッズ(配当率)は、多くの競馬ファンや専門家が予想し投票した結果から、(純粋に)割り出される
・低配当でも、高的中率を確信できるレースだけに投資
・膨大な過去データと最新のオッズ(配当率)データ等から買い目を自動的に分析・予想
そう、鉄板(確実)な、一番人気の馬を買えば良いのだ!
一番人気の馬が来るとは必ずしも言えないが(当然である)、すべてのレースに勝つ必要はないのである。利益目標さえクリアすればよい。万が一クリアできなくても、負けさえしなければ、結果が少々先に伸びるだけだ。
次の問題は資金である。
このソフトウェアの価格は約100万円だ(かなり高額なものではあるが、上に書いたような利回りを考えれば、すぐにペイできるだろう)。これを購入できない立場にあるぼくは、100万円でソフトウェアを買ったつもりで、投機の資金にすればよい。
さて、投機に回す割合は、リーフレットにあるとおり1%とすべきだろうか。まあ、そうなのだろうが、士気高揚の意味も込めて、まずは少し欲張った5%としてみよう。これでもけして大きすぎるとは思えない。
最後に、投機する日数だ。やはり週末にどんと行きたい。8日とする。
上の条件でシミュレートしてみたのが、左の表である。
作表にあたっては、リーフレット掲載の表を参考にした。
驚くなかれ、1年後には、ぼくは1,156,880,000円を手にすることになる。
さあ、マントを拡げよう。成功の秘訣は目的の一定不変なるにあり(スマイルズ)。
念のために忠告しておくけれど、このエントリを読んだとしても、決して真似をしないように。ぼくのように想像上の資金力と、見せかけの忍耐力、そして架空の決断力をもった人間が実行しない限り、必ず破綻する。
そう、それから些細な問題ではあるけれど、ぼくは競馬はやらないんだよなあ。
〈05.8.4追記〉※現在は扱っていないそうです。先方よりご指摘をいただいたので、リンクを削除しました。
by clocken
| 2004-09-24 02:34