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正確な言葉 ─外来語の曖昧さ

 前回のエントリで「コーポレートガバナンス」「コンプライアンス」というのを挙げたが、こういう意味不明の言葉はほかにもある。別に外来語がいけないというわけではない。有用ならどんどん使うのがよろしい。しかし、意味が曖昧なまま使われても困る。

 たとえば、ペンディング。
 英語の pending から来ているのだろうが、これは未決定・保留というような意味である。結論を先延ばしすることだ。しかし決定された案件の実行をすぐに行わない場合、 pending と言われると、案件を保留したのか延期したのか分からない。だいたい、一度決定したことを覆すのは保留ではなくて中止じゃないか。
 内容を再検討したくなったのなら保留だし、単に遅らせることになったのなら延期だ。この違いは大きい。なにしろ、延期であればこちらは待っているだけでいいけれど、保留ならば最悪の場合全部の作業をやり直すことになる。
 ぼくは「ペンディングということで」などと言われると、必ず「それは保留するという意味ですか、延期ですか」と聞き直している。たいてい答えは「保留か延期か、それもまだよく分からない」というものである。そしてそういう場合、ほとんどうやむやになって中止になってしまう。いやはや。

 ドラフト。じゅうぶんな内容を示されないまま「ドラフトを作ってくれ」という言い方をされることがある。内容が煮詰まっていないまま作るものはドラフトとは呼ばない。

草案
 文章、特に規約などの下書き・原案。「―を練る」
叩き台
 批判・検討などを加えて、よりよい案を得るための原案(以上、「大辞泉」 JapanKnowledge)

 叩き台はプロポーザルまたはテンタティヴ(proposal; tentative)なプランであって、草案がドラフト(draft)である。こちらから提示したものを元に検討を開始するというなら、それは「叩き台」ではないか。ところが、叩き台という言葉を理解しない人は結構多い。

 きりがないのでここらでやめておくが、こういう言葉を使いたい人は日本経済新聞よりまず国語辞典を読んで欲しいものだ。
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by clocken | 2004-11-20 19:02
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思考の空転するままに書くことができたら。


by clocken
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