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特許庁にて(1) 専門化の賜物というべきか

 商標権の存続期間を更新する必要があり、その手続を調べてみた。
 それ自体は「商標権存続期間更新登録申請書」という名前は長いが大して書くこともない書面を作って、そこに特許印紙を貼って提出するだけのようである。特許庁のウェブサイトは大変分かりづらいが、根気よく見ていけばそこまでは分かる。

 いくつか疑問点もあったから、事前に相談をしておくほうがよいと思って電話をかけてみると、とても対応が親切だった。アポイントメントなしで訪問しても相談に乗ってくれるという。なんとソフィストケートされた役所だろうと思った。

 玄関では守衛に本人を確認できる証明書を出せと言われ、鞄の中を見せろと強要される。しかも形ばかりのチェックだ。大人だから我慢して適当に見せる。
 中に入ってはみたものの、案内係はいないし、誘導標識のようなものもない。ただびっしりと係の名前が書いてあるボードがあって、内線電話がいくつか置いてある。調べておいた内線番号にかけて、なんとか行く先が分かった。

 あらかじめ資料を揃えておいたので、話は滞りなく進んだ。女性職員はこちらの疑問点にも明快に答えてくれ、申請書もチェックして問題ないと言ってくれた。やれやれである。申請窓口はどこか、と尋ねるとその部屋の奥の方を指し、「あっちに受付がありますから、そこへ出してください」とのことであった。

 さて、今日申請をしようと部屋の奥へ入ってゆくと、あれれ、なんだか全然違う係の名前が書いてある。近くにいた女性職員をつかまえて申請窓口を訊ねると「あのー商標のことはちょっと・・・」と戸惑ったような答え。「あの柱の向こうが商標の係ですので、あちらで、すいません、訊いてください」
 今思えば、前回相談したところに立ち寄って窓口を確認すれば良かったのだけれど、「部屋の奥」という思いこみがあって、うまく頭が働かなかったのだ。

 柱、柱と。なぜか部屋の真ん中に太い柱が立っている。ぼくは柱の向かい辺りで作業をしていた男性職員に同じ質問をした。
「商標? 更新? いやー商標のことは商標の係じゃないと」彼は言った。
 ぼくはそんな深遠な質問をしたいのではなくて、申請の窓口が知りたいだけなのです。

 彼は、前回相談した係のところまでぼくを案内してくれた。三度同じ質問をするはめになったわけである。自分の頭の悪さにくらくらしていたが、そこの係の職員の返事もくらくらするようなものだった。
「申請とかの窓口は全部あっち(と部屋の奥の方を指す)・・・だと思います・・・」
 思います? ・・・まあいい。もう彼らが自分の職域以外にはまったく興味も知識もないのは分かった。窓口で訊けばいいことだ。「あの、あっちってどこですか。部屋の外ですか?」ぼくは訊ねた。
「そうです。螺旋階段の向こうです。一度ここを出ていただいて、左に曲がって・・・」
 壁の向こうを指さされても、ぼくには透視はできませんよ。

 特許庁ではペーパーレス化を進めていて、今や出願の90%以上はオンラインによるものだという。作業のほとんどはコンピュータ上で行うものになっているのだろう。そのせいで皆空間認識能力を失ってしまったのかもしれない。
 結局その問題の窓口は、建物の中央にあるホールの、螺旋状階段の横にあった。

 応対してくれた職員の方々は、すくなくとも皆さん親切であった。
 あらかじめ申請窓口を確認しなかったぼくが悪いのさ。
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by clocken | 2005-04-22 22:37
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思考の空転するままに書くことができたら。


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