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特許庁にて(2) 負担の公平性

「財団法人工業所有権電子情報化センター」という法人をご存じだろうか。
 先日の記事「特許庁にて(1) 専門化の賜物というべきか」で書いたとおり、初めて商標の登録申請手続きを行ったのだけれど、ぼくはそれで初めて知った。

 特許庁ではペーパーレス化を強力に推し進めていて、資料によると出願のほとんどがオンラインによって行われているらしい。
 2004年10月現在、無償配布されたパソコン出願ソフトの数は10,000を越え、20,000人以上のユーザがオンライン手続可能な状況にあります。2004年10月現在のオンライン出願率は特許・実用新案、意匠、商標それぞれ、97%、90%、94%に達し、オンライン出願は十分に定着するに至っていると言えます。(平成17年1月特許庁発表『インターネット出願について ~インターネット出願ソフトの概要~』)

 さて、このパソコン出願ソフトは、Windows対応のものしかない。この時点でぼくとしては気に入らないわけである。特許という公的なものが、特定の環境からでないと出願できないというのは間違っている。

 でも、とりあえず今回の本題は財団法人のことである。
 ぼくは弁理士ではないので、もちろんオンライン出願などの環境は持っていないし、必要でもない。だから今回の手続きは書面で行った。
 すると、驚いたことに「電子化手数料」という料金を取られるという。これを支払う先が財団法人工業所有権電子情報化センターなのだ。
 金額そのものは1,200円+700円(1ページ当たりの単価)×〇枚(書面の枚数)というもので、今回は1枚だから1,900円である。この金額だけをみればべらぼうに高いというわけではないが、釈然としない。こういう手数料がかかる、ということも特許庁のウェブサイトでは明示されていない。

 この電子化手数料を徴収する理由はこう説明されている。
原則オンライン手続が可能な手続(特定手続)が書面により行われた場合には、オンライン手続を行う者との負担の公平性の観点から、書面を電子化する費用を負担していただくこととしたものです。

 意味が分かりますか? 役所が金を取るのに理由なんてあるわけもないのだけれど、ここで言う負担の公平性というのは、論理が逆立ちしている。オンラインで手続を行う人は、それだけのメリットがあるからするわけだろう。たとえば、遠隔地に住んでいるというようなことである。わざわざ特許庁へ足を運んで手続を行っているのに、不当に利益を得ているようなことを言われるのは心外だ。
 オンライン手続を行うためには回線を維持する費用やら電子証明書やらの費用がかかるのは確かだろう。しかし、多くの人が費用を負担してオンライン手続をしているのだから、書面で手続する人は天下り法人に金を払えというのはわけが分からない。もちろん、この手数料を払わなければ、出願や申請は却下になる。

 そんなに電子化したいのなら、特許庁で申請するときにコンピュータを貸してくれれば、入力して差し上げたっていいんですよ?

 特許庁がソフィストケートされた役所だとちょっとでも思った自分が浅はかであった。
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by clocken | 2005-04-27 23:49
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思考の空転するままに書くことができたら。


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