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お餅と麻婆春雨

 Microsoftとデザインツール。
 なんというか、薬店が煙草の自動販売機を設置しているような違和感がある取り合わせだ。餅に麻婆春雨をかけて食うような、と言ってもいいかもしれない(ほんとうに不味いから試してみるといいです)。

a0035543_2173386.gif MicrosoftがCreature Houseを買収し、そのグラフィック・ソフトウェア「Expression」をフリーのソフトウェアとして配布し始めたのは結構前のことだが、これを改良(改悪?)したものが「Acrylic」となってベータ配布されている。
 まあ、それはそれでいいのだけれど、CNET Japanの記事(「マイクロソフト、プロ用グラフィックスソフトを投入へ」)によると、Microsoftはプロのデザイナーをターゲットにした製品開発を始めているという。
 新しいグラフィックス製品と、一部アナリストが「PDFキラー」と呼ぶMicrosoftのMetroプリントエンジンを組み合わせることで、Microsoftは、人気の高いIllustratorやPhotoshopを販売するライバルのAdobe Systemsに直接的な攻撃を仕掛けることが可能になる。

 実際PhotoshopやIllustratorは市場を独占していて、好ましいとは言えない状態である。技術にせよ価格にせよ競争がない。新たに参入するソフトウェア・メーカーがあるというのなら歓迎すべきことだ。
 でも、それがMicrosoftならば歓迎する気にはなれない。
 Adobeは以前から、Microsoftが軽視しがちな市場に専念することで、概して同社との競争を避けてきた。

 この記述がほんとうなのかどうかよく知らないけれど、なんだかずいぶんAdobeも舐められたものだという感じがする。Microsoftが本気でかかれば、Adobeの作るソフトウェアよりはるかに良いものができるはずだとでも言わんばかりだ。青いタスク・バーに緑色のスタート・ボタンという信じられない色の取り合わせをする会社がである。

a0035543_21526100.jpg 使いもしないでどうのこうの言うのはフェアでないので、その「Acrylic」を試してみた。当然ながらWindows XP SP2で動くものしかないので、気は進まないながらも、Windowsで使ってみる。
 インターフェイスは見たところExpressionと変わらないようだ。操作方法にはかなり癖があり、あまり直感的とは言えない。確かにぼくのような素人が使うには面白いソフトウェアだろうけれど、プロツールと言うには(これがベータ版であるということを差し引いても)洗練されていないように思う。これがMicrosoftの説明会で紹介されたという「Microsoft Expressions Studio」の中でどういう位置づけのソフトウェアとなるのかは分からないけれど、PhotoshopやIllustratorと比較になるものだとは到底思えない。Photoshop Elementsとなら比較できるかもしれないが、用途がかなり違うから意味がないものなあ。
 Microsoft幹部は「Acrylicの主な狙いはすでに市販されているグラフィックスツールを補完することにある」と言っているそうだから、とりあえずはそういう姿勢で開発されたものなのだろう。

 でも、Microsoftの本領発揮は、その後である。Expressionは実売3万円程度だった(と思う)し、ペンタブレットなどにはLite版がバンドルされていて1万5千円程度でアップグレードできたのだから、Acrylicもさほど高額にはならないだろう。むしろ初めはバンドル中心で、ほとんどタダみたいな金額でばらまくんじゃないか。Acrylicは直接Windowsのアイコンや壁紙を編集したり作成したりできるとかそんなのが売りになる。
 ユーザーがそれなりに増えた頃を見計らって、上位版(Acrylic Vista?)に、これまたタダみたいな金額でアップグレード可能にする。さらに上位版はタダみたいな金額で乗り換え版も出す。Office ***のProfessional Editionに含まれたAcrylic Vista Professional、Personal Editionに含まれたAcrylic Liteとかなんとか、同じヴァージョンなんだかどうなのか分からないものが吐きそうになるほど出る。もちろんWindows CE用やタブレットPC用も出る。
 WordやPowerPointとの互換性は高めておきながら、いずれ独自形式でしか書き出せないようになる(もちろんOfficeソフトウェアからは読み込み可能)。
 そのうち抱き合わせ販売の疑いだとかどこぞのコンピュータ・メーカーだか販売店だかに圧力をかけた疑いだとかが騒がれ出す。「AcrylicはWindowsの機能の一部であり、それを切り離すのは不可能だ」とかなんとか証言する幹部が出る。

 ちょっと妄想が過ぎたが、かなりの部分でこれは予言のつもりだ。誰もが同じ過ちを繰り返し、世界はまた住みにくくなってゆくのだろう。
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by clocken | 2005-08-16 21:31 | archives
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思考の空転するままに書くことができたら。


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