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NHKの反撃はまず影響の少なそうなところから始まった

 NHKがおそるおそるという感じで、反撃策を打ち出してきたようだ。
 人気番組(であるらしい)「NHK歌謡コンサート」の観覧を、受信料支払者に限定することを試みるらしい。

 NHK経営広報部によると、視聴者から「受信料を払っていない人が、公開番組の入場に当選するのはおかしい」という声が寄せられたことから、今回限りの試みとして、申し込みを制限することにした。
(引用元→asahi.com「受信料払わない人、公開番組の入場お断り NHKが試行」)


 なんというか都合よく視聴者の声が寄せられたものだとは思うけれど、基本的にはその考えは正しいと思う。NHKの番組が受信料で作られているからには、金を支払わない人は受益できないというのはまあ当然である。ライフラインである電気、ガス、水道(電話も含めてもいいかもしれない)ですら金を払わなければ止められてしまうのだから、公開番組の観覧権が剥奪されてしまうくらいのことはしかたあるまい。

 ただ、問題はその方法である。
 受信料の支払い状況は、当選者を対象に、応募はがきと受信料契約台帳のデータを照合してチェックする。「はがきに書かれた住所や電話番号から確認できる。それで不十分なら、別の方法を検討する」としている。(引用元同上)

 今回は試行ということで、とりあえずこの方法でやってみるというだけなのは分かる。だいたい、いくら受信料不払いが多いと言っても、契約者全体からみればほんのわずかな割合である。公開番組の観覧に応募するくらいの熱心な視聴者であれば払っているだろうし、実際に当選したのに取り消されるという人がたくさん出るとも思えない。しかし原理的には、受信料不払いで観覧を拒否されるということがあり得るわけだ。
 受信料契約台帳との照合によって判断するということは、契約がされているか・受信料が払われているかということのみが問題になるということである。つまり、たとえばTV受像機を設置していないために契約をしていない(完全に合法である)人も撥ねられることになる。親が払っていない世帯の未成年者なども同様だ。また、ぼくのようにNHKは不要だから払わないという確信犯的不払い者と、NHKの不祥事への抗議行動で払わない人と、何はともあれ便乗して払わない人との区別をしないということになる。これはNHKが「信頼を取り戻し、受信料支払いの理解を得るよう努力する」とした姿勢と大きく矛盾していないだろうか。

 NHK歌謡コンサートの観覧なんてどうでもいいけれど、やはりNHKは受信料を単に既得権益としか考えていないということがはっきりと分かる。

記事:
朝日新聞 asahi.com「受信料払わない人、公開番組の入場お断り NHKが試行
毎日新聞 MSN-Mainichi INTERACTIVE「NHK:観覧は受信料支払い者に限定 歌番組で試行
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# by clocken | 2005-08-14 02:19 | archives

世界に一つだけの花

asahi.comのニュースから。─野口さん、SMAPの「世界に一つだけの花」でお目覚め

 スペースシャトルに乗船中の野口さんが、SMAPの「世界に一つだけの花」(作詞・作曲/槇原敬之)について「この歌が大好きです。日本で大変人気があり、世界平和の歌です」とコメントしたという記事。

 前々から疑問に思っていたのだけれど、これが「世界平和の歌」だというのはほんとうだろうか。

 確かに歌詞の中には「…僕ら人間はどうしてこうも比べたがる?/一人一人違うのにその中で/一番になりたがる?」という箇所があって、「人間」について語っている印象を受けやすい。

 でもよく考えてみてほしい。「花屋の店先に並んだ」様々な種類の「花」は、すでに人間の手によって選別され、品種改良され、栽培され、品質検査を受けた商品であるということを。野に咲く自由な花を無差別に摘み取って並べられたものではない。花は花屋の店先に並んだ時点ですでに「比べ」られているのだ。

 ただし、ぼくはこの歌を欺瞞だというつもりはない。聴き手が拡大解釈し過ぎただけであって、歌に罪はないのだ。
 歌詞の「僕ら」が「人間」全般を指すのではなく、たとえば「芸能人」を限定して指していると考えれば、また違った意味も浮かび上がってくるではないか。
「僕ら芸能人はどうしてこうも比べたがる? 一番になりたがる?」「No.1にならなくてもいい」
 作詞者の由来を考えればこの方がぴんと来るし、歌詞全体に漂う脱力感によほど合っているように感じられる。

 また、「僕に笑顔をくれた」人が「誰も気づかないような場所で/咲いてた花のように」と喩えられているのも、この解釈の妥当さを裏付けていると思われる。この名もなき「花」のような人はどの花を選ぶかひどく迷っていて、それが「僕」の共感を誘うわけだけれど、彼/彼女は決して店先で咲き誇る「花」とは同次元では語られない。「誰も気づかないような場所で」ひっそりと「咲いてた花のよう」なのである。

 ぼくらはみんな別々の花である。しかし花はなんらかの目的の達成のために選ばれるし、そのために花は存在する。
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# by clocken | 2005-08-08 14:09 | archives

一つの時代が終わってゆく あゝ誰れにも 止められない

a0035543_20312243.jpg とうとうAppleから2ボタンマウスが出た。
 大げさに言えば、パーソナル・コンピュータのGUIにおいて、一つの時代が終わったのである。大げさすぎるか。

 HOTWIRED JAPANの記事で発売を知り、今日新宿のビックカメラを覗いてみたけれど、まだ店頭にはなかった。だからまだ実物は見ていないけれど、Appleのページを見る限り、かなり使い勝手がよさそうだ。
 そういえば、今週の土曜日(8月6日)には、Apple Store Shibuyaが開店するのであった。開店記念に買うにはちょうどよい品物である…が、その日は仕事があるから行けない。しょうがない、オンラインストアで注文するか。


a0035543_20324318.jpg マウスにはずいぶんと試行錯誤してきた(4月15日のエントリ「幸せの青いマウス」など)。いま職場で使っているのはKOKUYOのmarimekkoシリーズ「Ruusupuu」である。やや軽いのが難ではあるけれど、これは4か月の間、さしたる不満もなく使えている。2ボタンマウスのほとんどが使い始めてから1週間以内に放棄されたことを思えば、異様なほど長寿だ。デザインも気に入っている。せっかくだから、これはこのまま替えずに、自宅のマウスを替えることにしよう。
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# by clocken | 2005-08-03 20:34 | archives

受信料不払いが増えるのはいいけれど、着地点はどこにあるのか

 以前、「舌足らずなNHK不要論」というエントリを書いた。公共放送の意義は議論されていないのではないか、NHKには不要な番組が多すぎる、という趣旨のものだった。
 読み返してみても、今でも(と言っても書いてから2か月しか経っていないのだけれど)その考えは基本的には変わらない。自分の文章の構成力のなさに呆れかえるくらいだ。

 asahi.comに先ほど「NHK受信料不払い、117万1千件 歯止めかからず」という記事が掲載された。
 不払い件数は、1月末時点で39万7000件、3月末で74万7000件、5月末で97万件と増え続けてきた。今回も20万件増えており、依然、歯止めがかからない状況が続いている。

 一時の盛り上がりほどではないにせよ、相変わらず不払いは増えている。次から次へと判明する不祥事(→「職員の懲戒処分について」等を参照)に、我慢を重ねてきた人たちもさすがに失望したのだろう。それでも、依然9割以上の契約者がきちんと受信料を払っているわけだから、「日本人のモラルの高さ」は疑いようがない。NHK不要論など変わり者の戯れ言に過ぎないことがよく分かる。
 この厳粛なる事実の前では、「NHKは公共放送であり、必要」という前提を受け入れるしかないだろう。

 ところで、asahi.comの記事では不払いの理由についても触れている。
 現在、不払いの理由として、一連の不祥事とともに「支払わない人がいるという不公平感」「料金体系への疑問」をあげる視聴者も多いという。

 支払わない人がいるから払わないとというのは不払いの理由になるのだろうか。自ら便乗不払いと認めているわけで、これはこれで潔い主張ではあるけれど、裏を返せばみんな払うなら払うということであり、まったく主体性のないことである。こんなことでは結局「政治的決着」になってしまうのではないかと不安になる。

 さて、NHKは「『深刻な状況は変わらない』と分析している(asahi.com記事)」らしいが、金額的にはどのくらい深刻なのだろうか。
 収支予算を見ると2005年の受信料の減収は72億円にも及ぶが、役員報酬・職員給与を28億円削減し、効率的な業務運営による経費削減によって185億円を浮かすので、ゆうゆう穴埋めできるらしい。
 設備投資や増加する番組制作費のことを考えれば、穴埋めできればいいというものでもないだろうけれど、今までさんざん無駄金を使ってきた結果がこの受信料減収なのだから、そのツケは払わないとね。
 不祥事などやりたくてもできない現場の職員の給与まで減らされるのでなければいいけれど。

 なんだか雑感ばかりになってしまったけれど、まあ、いつものことである。ぼくに論理的な意見を求めても無駄なことは誰でも知っている。

 * * *
 NHKオンラインに「受信料の支払い拒否・保留の7月末の状況について」が掲載されていた。「支払いを再開いただく方も、4月−5月は0.9万件、6月−7月は2.1万件にのぼるなど、回復の兆しも見えてきています」とあるけれど、“何が”回復したのだと言いたいのだろう。
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# by clocken | 2005-08-02 22:58 | archives

ホテルに泊まるときの心得

 ぼくのような貧乏人にはホテルなんていうものはあまり関係のない世界の話であるが、それでも怖い話であるには違いない。

ホテル宿泊者は要注意--テレビを介したハッキング方法が明らかに - CNET Japan

 Adam Laurieは、……特定の先進的なテレビシステムにノートPCを接続することで、他の宿泊客の行動を密かに探ることができるという。同氏も他の客室を直接覗き見ることは(今のところ)できないが、このシステムを使えば、他の客がテレビでどの番組を見ているかを調べたり、彼らの明細書を見たり、ミニバーの料金を変更したり、彼らがホテルのテレビで閲覧しているインターネットのウェブページを自分のノートPCの画面に表示させることもできる。


 今のところできるのは、地球にやってきた宇宙人がする嫌がらせのような行動でしかないが、将来的には「他の客室を直接覗き見ること」もできるようになるかもしれないとしたらぞっとしない話だ。
 記事の内容が本当なのかガセなのかヨタなのかもさっぱり分からないが、この原理というのは次のようなものらしい。

「近代的なホテルのバックエンドシステムは、各部屋のTVに関連づけられたIDによってサーヴィスを制御している。ノートPCに接続したUSB TVチューナーにホテルのTVケーブルを差し込んでシステムに侵入し、IDを変更することで他の部屋の情報にアクセスできるようになる」(要約)

 その「IDを変更したり、ルームサービスの請求書コードを発見するにはある程度の技能が要求される」というが、こうしてヒントを与えられればさっさと真似できるハッカーはたくさんいるのではないだろうか。ホテルがぼくの気の休まる場所であった試しはないが、ますます緊張を強いられる場所になりそうである。
 次回ホテルに宿泊する際は、まずAdam Laurieが宿泊していないかを確認すべきだ。

 Adam Laurie氏が宿泊していないかどうか調べるためには、まずTVチューナーを付けたノートPCを持ち込んで…。なんか、猿のいる部屋を鍵穴から覗いてみたら、鍵穴の向こうから猿が覗いていた、という話を思い出す。
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# by clocken | 2005-08-01 22:09 | archives
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思考の空転するままに書くことができたら。


by clocken
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