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車を買うような感覚では手に入らないもの

 IT Pro Special|MOTEX「セキュリティ対策、その常識とウソ」(日経BP社)という記事を見つけたので、へたれAdministratorとして、これはぜひ読まねばならないと思った。

 エムオーテックス株式会社のセキュリティ・ソフトウェア「LanScope Cat5」の紹介で、全6回予定である。
 これがどんなソフトウェアなのか浅学にして知らないけれど、「導入企業約1500社、導入クライアント数約150万台という実績を誇」り、「圧倒的なトップシェアを獲得している」らしい。
 第1回は「vol.01 間違いだらけの『セキュリティ対策』」と題され、同社の高木社長へのインタヴューとなっている。まだ記事はこれしかなく(第2回は8/8更新予定だそう。ずいぶん先だね)、製品そのものやセキュリティ対策の常識とウソについてはほとんど触れられていない。最初の記事だから、総括的・概括的なものでもしかたなかろう。

 でも、読んでみれば分かるが、この記事はまったくもって役に立たない。たぶん、ライターの構成力のなさが原因だと思う。高木社長の言葉を細切れに引用し、ぐだぐだと説明をつける。そのせいで、高木社長は変なことを言っているようにみえる。まあ、実際、喩えが変なのだが。
まず、セキュリティはこれで決まりという絶対的なものが存在しません。そのため、車を買うような感覚ではセキュリティは手に入らないのです。

 車を買うような感覚では手に入らない、というのは「金を払えば手に入るものではない」という意味なのだろうか。それならそう言ったほうが分かりやすいと思う。
 実際にはこういう言い方をしたんじゃないのでは? たとえば「速く移動したいという目的があるなら車を買いますよね。でもセキュリティというのは、こうしたいならこうすればいいというほど単純なものではない」というような。
うどん屋とラーメン屋。 業態が似ているので車なら同じ車種でいいかも知れませんが、セキュリティはダメ。

 うどん屋とラーメン屋の違いはいいが、どうしてここで車が出てくるのか。営業に使う車は同じでもいいけど、セキュリティは同じではダメということだろうか。これはなんでうどんとラーメンと車なのか全然分からん。
洗濯機は何をする道具なのか誰でも知っているのに、それと同じレベルの単純さで、セキュリティとは何をすることなのかを正しく知っている人は少ないのです。

 単純さを表すのになぜ洗濯機なのか? 別に洗濯機でも構わないが「洗濯機が洗濯をするための機械であると正しく知っている」ことと「セキュリティとは何をすることなのかを正しく知っている」ことを等しく置いてしまうと、「セキュリティはこれで決まりという絶対的なものが存在しません」という言葉と齟齬が生じてしまうのではないだろうか。

 単なる揚げ足取りになってしまったけれど、どうもこの記事は期待していた内容と違うようだ。車を買うような感覚では期待する記事は手に入らないのである。
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# by clocken | 2005-07-16 22:19 | archives

背筋の凍る業務専用ソフトウェア

 へたれAdministratorとして、日々セキュリティ対策に頭を悩ましている。
 いや、それは少し嘘です。ときどき悩んでいるだけです。

 現在のところいちばんのネックは、業務用の専用ソフトウェア『みかん』(仮名)である。なんどか過去のエントリでも取り上げているが、いろいろな面で非常に問題があるソフトウェアなのだ。

 たとえば『みかん』は、管理者権限でログインしないと使用できない。つまり、ぼくの職場ではパソコンが管理者権限で自動ログインした状態(つまりパンツを履いていないのと同じ)で放置されているのだ。怖い、怖すぎる。
 メーカーの営業が来たときにこの件について対応予定を訊ねたら「管理者権限でログインしていたら、なにかまずいのですか?」と真顔で聞き返された。「いままでユーザー様からそのようなご指摘を受けたことがないんです」
 思わず絶句しそうになりつつも、ぼくの理解の範囲内で説明したところ、まあなんとか分かってはくれたようだ。しかし、管理者権限でないと使用できない理由が「インタフェイスがWindowsの外字を使用するため」というのには衝撃を受けた。入力パネルに外字を表示するためということだろうか? 必要な文字だけ画像化しておくとか方法はあるんじゃないのか。
 結局、上長へ報告して全社会議にかけるということになった。まったくもう、頼むよ。

 後日、報告のメールが来た。
「先日行いました全社会議の際に本件について提案し、どこかのバージョンアップで変更するように開発を進めていく。現状はWindowsの外字に頼っているため、残念ながらすぐに変更する約束はできないが、弊社の方針としては必ず開発を進め速やかに変更していく所存」(要旨)

 それに対するぼくの返信。
「よく意味が分からないのですが、しばらくは対応予定なし、という理解でよろしいのでしょうか」

 ふたたびメーカーから。
「すぐの対応が出来るかどうかは難しいのですが、最終的には管理者権限がなくとも使えるように開発を進めております。いつ変更できるか具体的な日程がまだ決まっておりません」

 いや、だから、それはしばらく対応予定なしってことじゃないか。呆れたので返信しなかった。
 こういう返事を昔、プリンタ・ドライバのことで富士ゼロックスにやられたことがある。いつまでも〈対応予定〉となっているので、いったいいつ出るのか、情報をもっと頻繁に更新しろとメールしたら「鋭意開発中です」「いつとはお約束できません」の繰り返しで、結局出るのに2年近くもかかった。2年間も使えないプリンタを部屋に置いておかないだろう、普通。もう二度と富士ゼロックスの製品は買わない。

 セキュリティの話ではないが、この『みかん』は本質的にはMS Wordのマクロ操作ソフトウェアである。まあ、それはそれでも構わない。使いやすければね。
 でも、作った文書の内容を検索できないのだ。初めて使ったとき、これにはかなり衝撃を受けた。
 ソフトウェアの中でフォルダ(「ボックス」と呼ぶ)を作り、その中で関連する書類を作っていくような感じで業務を進めてゆくのであるが、検索できるのはボックスのタイトルだけ。管理モードに入ればもうちょっと詳細な検索ができるが、文書の中に含まれる語句ではまったくできない。
 ワープロモードで書類を作る。以前に作った文書を使い回そうとしていきなり開いてはいけない。万が一ちょっとでも編集してしまうと、二度と元には戻らない。データベースと同じで、入力したとたんに上書き保存されてしまうのだ。いったいどうしてこのような仕様になっているのか理解に苦しむ。

 なんだか関係のない話で長くなったので、次の「車を買うような感覚では手に入らないもの」へ(たぶん)続く。
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# by clocken | 2005-07-16 21:41 | archives

Acrobat 7とOffice 2000の相性問題解決へ向かう

 さて、Microsoft Office 2003のヴァージョンアップについての見積を頼んでいる業者から、再び返事が来た。
 曰く、最低1つは2003 Professional Edition(以下「Pro」)が必要。2003 Personal Edition(以下「Prsnl」)は、Office 2000 Professional(以下「2000Pro」)からではヴァージョンアップできないので、Prsnlは新規購入しなければならない。
 同時進行する形で、パソコンの保守を頼んでいる業者が来て、例のAdobe Acrobat 7の不具合問題を手当てしてくれた。おかげで2000Proと一緒に問題なくAcrobat 7が動作するようになった。はっきりした原因は分からないものの、基本的な問題は複数のAcrobatの仮想プリンタがうまく削除できずに残っていることにあるらしい。そうだとすれば、2000Proであるかどうかはまったく関係がないはずであるが、保守業者はなんとも言えないという。でも全部をきちんとアンインストールした上でAcrobat 7を再度インストールしたらきちんと動作するので、2000Proであることが直接の原因ではないと思われる。

 最初からうまく動作していたとしてもその理由なぞ分からないのだから、不具合の理由も、それが取り除かれた理由も分からなくてもどうということはない。
 そういうわけで、2003へヴァージョンアップする必然性がなくなってしまった。
 そうは言っても、見積を頼んだ業者に悪いから、一応引き続き検討することにする。

 業務用ソフトウェアの都合で最低1つProを買わねばならないというのは、業腹ではあるが現状しかたあるまい。でも、2000ProからPrsnlへヴァージョンアップできないというのはどういうことだ。業者に聞いてみたが、「Microsoftからそのように回答をいただいたので…」と言う答え。スイートはいわば特価品なのだから、組み合わせが気に入らなければバラで買ってくださいということではあろうが、ろくでもないソフトウェアを一緒に買わされて素直にインストールしたほうが安いというのはやはり納得いかない。
 それでMicrosoftのウェブサイトを確認する。「Office 2003 Editions / Office 2003 Programs アップグレード対象」というページを見ると、
アップグレード対象製品
・Microsoft Office 2000 Personal
・Microsoft Office 2000 Standard
・Microsoft Office 2000 Professional

 あれれ、アップグレード対象に入っているよ。でもなんだかケチがついたせいで、すっかりPrsnlへヴァージョンアップする気が失せてしまった。来年くらいに「Office 11」が出ると言うから、無理に今やることはないか。2003 Serverを入れたせいで、事務所の経理担当者はさらなる出費に渋い顔をしているしね。

 でも不安材料は3つある。2000ProからOffice 11へと中間省略したヴァージョンアップだと、操作性の違いが深刻なものになるかもしれない。なにしろMicrosoftだからね。
 来年くらいに出るという噂だけれど、これまでの経験から考えて、再来年くらいに延びるかもしれないというのが2つめ。
 業務用ソフトウェアの動作確認と対応が遅れて、結局使い出せるようになるにはさらに1年くらい余裕を見なければならないかもしれないというのが最後の不安材料。

 おそらくWindows XPの上では2000Proは問題なく動作するだろうから、Longhornを使わなければいけなくなるまでは、このままでいいかなあ。
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# by clocken | 2005-07-12 20:30 | computer

ポッドキャスティング、してみた。iTunesで、してみた。

a0035543_2242543.jpg ああ、なんだか懐かしいこの感じ。
 iTunes 4.9から、ポッドキャスト(Podcasting)の機能が付加された。
 それで早速試してみようと思ったわけだけれど、さて、何を聞けばよいのだろうか。もともとインターネット・ラジオを聞く習慣がないのだから、どこを探せばよいのかすら分からない。

a0035543_2244731.gif とりあえず「iPod情報局」で知った@niftyの「Podcasting Juice」でいくつか適当にiTunesに登録してみる。やり方は簡単で、登録したい番組の紹介コーナーにあるPodcastingのバナーを、iTunesのポッドキャストのウィンドウにドロップするだけだ。勝手にダウンロードしてくれる。再生させるとずるずると麺をすする音が聞こえるがなんだこれ。

 この使うために使う、という感覚。別に面白いわけでもないのに、その機能を使ってみたいがために、自分を騙して面白いと思おうとする心の動き。うーん、懐かしい。

 Mac OS Xを導入したときがそうだった。まだ全然対応ソフトウェアがなくて、標準でついてくるものを使ってみるしかなかった。さすがにエディタに「ふぁjなっじょああkfぽあへあlば’まvばにkぶあbfふじこ」とかばっかり書いている(いや、こんなこと書いてません)と飽きるので、ネットを彷徨って数少ないソフトウェアを漁る。そして「このソフトウェアは面白いんだ。だって、ほらOS Xの上で動くんだもん」と思いながら、ひたすら虚しいクリックを繰り返していた。月の満ち欠けをドックに表示するのとか、3Dのおじさんがうろうろするヤツとかそんなのだったなあ。

 まあそのうち、自分に合うネット・ラジオの番組も見つかるだろう。探す気があればの話だけれど。
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# by clocken | 2005-07-11 22:07

あくせくせずに仕事をしてゆくということ

 いつものごとく仕事で帰りが遅くなったので、タクシーに乗ろうと、途中の駅で電車から降りた。
 駅の周辺は酔っぱらいのサラリーマンと、うだうだしている邪魔なガ…大学生で溢れていた。まあ、金曜日だしボーナス出たばかりだし、しかたがないよな。さすがに空車も少ない。

 ようやくタクシーに乗ると、運転手が「今日は飲んでいる人多いね。すごく混んでますよ」と話しかけてきた。ぼくは同意して行き先を告げた。
 運転手はぼくの言ったルートに詳しくないようで、いちいち道を指示しなければならなかった。道の両側にはふらふらしながら楽しそうに歩いてゆく人たちが連なっている。
「お客さんは今まで仕事ですか」と運転手が訊ねたので、ぼくはそうだと答えた。それからお仕事は大変ですねえ、いやいや、このご時世に仕事があるだけでも幸せですよなどという大人の会話をする。
「私は思うんだけど、家族が食っていく分だけのんびりと稼げればいいと思うんですよ」と運転手は言った。「自給自足というかね。金を稼いだってキリがないでしょう? もっと欲しいもっと欲しいって思ってしまうから」
「そうですね」ぼくは言った。「でもね、ちょうどよく稼げる仕事ってなかなかないですよ」
 タクシーの運転手というのは腹を決めてしまえばそれに近いかもしれない、とぼくは思った。自分のペースで仕事をしてゆくことができる。だけれど、運転手は意外なことを言った。「私は運転手をね、いつまで続けようか、もう辞めようかって毎年考えているんです」
「じゃあ、もうちょっとだけ続けてみよう、という感じで続けているんですか?」ぼくは訊ねた。
「タクシーの運転手をやっていかなくてもなんとか生活はできるからね」彼はなんとなく照れくさそうに言った。「最近は頻繁に実家に行ってるんですよ。実家を手伝って、のんびり自給自足で暮らすのもいいかなってね」
 ああ、いいですね、とぼくは頷いた。「ご実家は農業をされてるんですか?」運転手が“自給自足”と言ったから、てっきり農業だと思ったのだ。
「いや、そういうわけではないんですけどね」
「じゃあ、家庭菜園のようなもので、家で食べる分だけ作るとか」
「いやいや、実家がね、土地をたくさん持っているものだから。親戚とかに貸して、地代代わりに収穫の10%だとかもらってるんですよ。だから米なんて食べきれないほどある。(実家は米穀商をやってるんですよ。)それをこっちへ持ってきて、近所や知り合いに分けたりするのが楽しいね」

じきゅうじそく【自給自足】
〔名・ス他〕自分や自国に必要な物資をみずからの生産だけでまかなうこと。ドイツAutarkieの訳語として1930年ごろから広まる。
(『岩波国語辞典第六版』株式会社岩波書店)
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# by clocken | 2005-07-09 18:19
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思考の空転するままに書くことができたら。


by clocken
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