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読み飛ばし

早川書房の『つかぬことをうかがいますが…』に載っていたもの。

(引用開始)
この文章を読んで、「F」がいくつ含まれているか数えてみてください。

FINISHED FILES ARE THE RE-
SULT OF YEARS OF SCIENTIF-
IC STUDY COMBINED WITH
THE EXPERIENCE OF YEARS.

(引用終わり)

別に答えを書くようなものでもないので、ご自分で数えてみてください。

ぼくは誤植やタイプミスはすぐに気がつくほうなのだけれど、これにはひっかかった。
で、ふと考えてみた。

ぼくらが文章を読むときには、かなりの部分を実際には読まないでいるのではなかろうか。
文法や経験的に知っている語法を元に、次にくる助詞や接続詞をなかば無意識に予想して読み飛ばしているのではないかと思ったのだ。ここで「読む」というのは、もちろん黙読、声に出さないで読むことである。
もしそうだとすると、「読みやすい文章」や「文体の好み」のようなものが存在する理由の一端も分かる。自分の予想が当たりやすい文章ほど読みやすいし、好ましく感じるのかもしれない。助詞や接続詞は文章の流れに大きな影響を及ぼすから、自分の予想と異なる使い方をする書き手の文章は流れをつかみづらく、理解しにくい。

なんか逆説的だが、読みやすい文章ほど、実際に読んでいる部分が少ないということになる。うーん、面白いな。もうちょっと考えてみよう。

あ、引用した英文中のFの数ですが、6つあります。ofのFを見落としてしまう、という謎。
by clocken | 2004-08-23 03:23
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思考の空転するままに書くことができたら。


by clocken
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